2014年8月13日水曜日

22回生 絹川健一さん

スタッフ(以下ス):本日はよろしくお願いします。

絹川氏(以下キ):よろしくお願いします。

ス:現在のお仕事について教えてください。

キ:現在、私は日本のTMI総合法律事務所に所属し、ロンドンにあるシモンズアンドシモンズローファームに出向という形で働いています。事務所では紛争解決のチームに所属しています。

ス:何故、法律関係のお仕事に就こうと思ったのですか?

キ:自分が学生の頃に放送されていた「ひまわりのうた」というテレビドラマの影響で弁護士に憧れるようになりました。弱いもののために戦う姿勢に感銘を受けました。得意科目は理系科目だったのですが、弁護士になりたいという気持ちで文系に進みました。そして高校卒業後は京都大学法学部に進学。
大学在学中に司法試験に合格。司法修習生になって検事という職業を知りました。
司法修習生として働いている間、権力を持つ人こそが弱い者のために働かなければならないと考えました。正義は権力を持つ人がきちんと行使しなければならないと感じて検事になることを決意しました。その後は東京地検特捜部や法務省刑事局付き検事などを経て大使館一等書記官として英国に来ました。


ス:何故、弁護士に転職されたのですか?

キ:英国の大使館一等書記官としての任期は3年間でしたが、息子が英国にいたいという希望があったので英国に在住し続けることに。そのため、英国で求職活動をして自分の経験を活かせる弁護士に転職しました。

ス:在学当時の思い出を教えてください。

キ:バスケットボール部の活動です。特に2年生の秋の大会、愛知高校との試合は今でも鮮明に覚えています。試合の終盤、千種は二点差で負けていました。試合終了間際、相手方のファウルで私がフリースローのチャンスを得ました。フリースローを二本とも決め、延長となり最終的に愛知高校に勝利しました。30年たった今でも覚えていられる、よい想い出になっています。今でも心の糧になっています。あのときのプレッシャーに比べたら大丈夫だと思って様々な場面を乗り越えて来ました。

ス:英国に来て文化の違いに驚きました。絹川さんが英国に来て日本との違いから感じたことはありますか?

キ:日本では電車の遅延で会社に遅刻した場合、遅延証明書等がないと上司からお叱りを受けるだろうが、英国ではそんなことはありません。交通機関のストライキに出くわすこともよくあり、きついしがらみのようなものはありません。
特に英国に来て感じたのは、8割くらいのサービスがちょうどいいということです。
不完全なものを受け入れることでみんなが心地よく暮らせる。
8割から10割に持っていくことよりも、みんなが定時に帰れる、労働者の権利を保護することでみんなが緩く生きられるようになっていると思います。
家族と過ごす、個人の時間を大切にすることで、全体的に見てみんなが幸せに暮らせていると考えます。


ス:同窓会50周年に際して、同窓会に求めることはありますか?

キ:同窓会の目的が何なのか、何が一番大切なのかを今一度考えて欲しいです。伝統は先輩から後輩に伝えていくものです。後輩が前向きになれるようなメッセージを先輩たちが伝えて欲しいです。努力すれば報われるといった先輩たちの分かりやすい成功体験を伝えていってください。
ス:自分の心の支え、座右の銘ありますか?

キ:実は私はスポーツが苦手だったんです。それでも、どうやったらレギュラーになれるのかということを真剣に考え目標・目的を持って、部活に取り組んでいました。自分の苦手なことであっても目標・目的を持って工夫する。弱点を補強したり長所を伸ばしたりして行く。目的に向かって進んでいく。とりあえず前に向かって進んでいくというのが私の生き方を支えています。

ス:本日はたくさんの素晴らしいお話をお聞かせいただきありがとうございました。

キ:ありがとうございました。